コリドー(緑の回廊):corridor

コリドーの和訳は「廊下」ですが、環境保全の分野で使われるコリドーは別の意味を持ちます。日本では「緑の回廊」や「生態的回廊」と呼ばれます。断片化した植生(主に森林)同士の間に植林などを実施することによって、つなげることをいいます。緑道と言われる場合もあったりしますね。

ただし、海外では、コリドー=細長い形状という定義しかなく、細長く断片化した残存植生(remnant corridor)や送電線などによる細長い移動障壁(powerline corridor)もコリドーといったりするので、注意が必要です。ここでは、緑の回廊=コリドーとして話を進めていきます。

コリドーのメリット・デメリットを考えてみる

管理人の知っている限り、コリドーはもっとも有名な環境保全技術の1つだと思います。世界中で断片化した森林が存在し、大々的かつ面的に森林を増やすことは難しいのですね。そのため、より限られた面積の植林で効果があげられるコリドーの役割は大きいのです。

つまり、量より質の向上をはかるということです。

さて、そのコリドーのメリットとデメリットを考えてみましょう。

コリドーの主なメリット
1.動物の移動が可能になる
2.生息地が増加する(コリドー自体が生息地の役割も果たす)
3.断片化した森林同士がつながることにより繁殖機会の上昇や遺伝的多様性が高まる


コリドーの主なデメリット
1.コリドーの移動中に捕食動物に捕食される機会の上昇(捕食圧の上昇)
2.病気が広まりやすい(病気の伝播機会の上昇)

総合的に判断すると、メリットがデメリットを上回ると考えます。病気の伝播については、元々つながっていた場所でのコリドー創出であれば、大した問題にはならないでしょう。

コリドーが創られやすい場所とその理由

さて、コリドーが多く作られやすい場所があるのをご存知でしょうか。
それは、河川沿いです。いわゆる河畔コリドー(riparian corridor)と呼ばれます。河川の大きさによっては、River corridorやStream corridorやCreek corridorも使われることがあります。

河畔コリドーが着目される理由は多数ありますが、その一部をまとめてみますと・・・
1.植生が残存している場合があり、作りやすい。また生育・生息空間としての価値が高い。
2.水質改善や河岸補強の点など動物以外へのメリットが大きく合意が得られやすい

特に、2番目が大きな理由となります。水質の改善(日光が遮断され富栄養化を軽減できる)や河岸補強が可能になるため、地権者の同意が得られやすいのです。また、河畔は行政の管理下にある場合も多く、コリドーが作りやすいという面もあります。

河畔コリドーは世界的にも実施されていて、コスタリカ、オーストラリア北部の熱帯雨林、東南アジア(オランウータンなど用)など、主力の復元技術の1つとなっています。