生垣(ヘッジロウ):hedgerow

生垣は、低木や草本類などが植栽された垣根のことをいい、ヘッジロウとも呼ばれます。敷地間の境界に設けられることが多いことから、日本の都市域でもよくみられる光景です。

生垣が優れた環境保全技術の1つである理由

ただ、世界的に有名なのは、やはりイギリスの田園地帯です。この地域の生垣(ヘッジロウ)が作り出す景観は観光的価値も高く、環境保全技術だけでは語れない美しさがあります。考えてみると、13世紀頃から低地を中心に作られていて歴史があるんですね。長い歴史があるということは、それだけ生け垣がより自然に近いものとなっています。植栽された植物は、やはり低木や藪的な植物が中心のようです。

さて、生垣がなぜ「環境保全技術」なのか、構成要素と効果の視点から具体的に考えてみます。

まずは構成要素。
上に書いたように、生垣の構成要素は低木などの植物です。さらに、もう少し大きな要素で考えてみると、家々の敷地境界に生垣が存在して独特の自然的な景観を形成しています。つまり、自然環境の構成要素であるんです。このことから、生垣は、その土地での自然環境(人為的に作られたものですが)の一部として機能していることが分かります。緑豊かな景観が創出されるので、人間へのメリットもありますね。

次に生垣の効果について考えてみます。
植物で構成されているわけなので、生物に生息空間を提供しています。生息空間がちょっと分かりにくいかもしれないので、より丁寧に書いてみると、多種多様な植物や動物の住みか(ハビタットといいます)となっています。

生垣には生態系の面白さが凝縮されている!?

さらに、生け垣には、生態系の面白さが凝縮されていると思うのです。たとえば、低木の果実を食べたり昆虫を捕食しに鳥類が来たとします。当然、糞をする場合もあります。その糞の中に植えられていない自然の樹木の種子が入っているかもしれません(他の場所から運んで来るわけです)。糞の中の種子がその生垣で芽を出し、成長して生垣を構成してくれるのです。そうすると、より自然的な(様々な植物で構成される)生垣ができていくのです。人為的な生垣が時間が経つとより自然に近い複雑な生態系が構築されていく。興味深いですね。

生物の生息空間以外の生け垣の効果を考えてみます。主な効果としては・・・、防風・防音・防塵の役目を果たします。また、火災時の延焼を防ぐ役割もあるので災害に強いとも言えるでしょう。