ナショナルトラスト

1895年に3人の英国人によって設立された英国最大のボランティア団体です。「歴史的名所や自然的景勝地のためのナショナル・トラスト」が正式名称。

目的と海外の有名事例

ナショナルトラストの主な目的は、歴史的建築物、自然環境、街並みの保護とされています。具体的にみてみると、さまざまなモノに対して関与していることが分かります。たとえば、マクロな視点からでは、森林、海岸、村、島嶼(島)など。そして、ミクロな視点では農地、歴史的・文化的建築物(農家やお城も含まれます)、庭、丘などです。もちろん、動植物の保護にも力を入れています。

英国では、やはり湖水地方が有名ですよね。ピーターラビット原作者のビアトリクス・ポターが同地方に所有していた土地をナショナルトラストに寄付しました。

[Official Site]National Trust

国内の有名事例

一方、日本でのナショナルトラスト的な活動組織をあげるならば、管理人の個人的な思いになってしまいますが・・・ 「公益社団法人トトロのふるさと基金」ですね。残存緑地の取得による保全、取得後のボランティアによる維持管理活動や環境教育への展開などを行っています。

選んだ理由は、2つあります。1つは、スタジオジブリが1988年に公開した長編映画「となりのトトロ」と密接に関連した組織である点。がピックアップした理由です。

となりのトトロのモデルとなった地名や地域が所沢周辺に存在する狭山丘陵なんですね。そのモデルとなった地域に散在・残存する樹林地を中心に保全活動を行っています。宮崎駿監督やスタジオジブリなどの関連企業さんの協力もあったりします。

この基金の活動自体はナショナルトラストの基本的な活動を踏襲しています。つまり、募金や収益を使って、緑地を買い上げて保存緑地として整備しています。これまでに16の緑地を確保してきました。

直近では、2012年3月19日に第16号緑地を無償寄付で取得。約1100平方メートルの谷戸景観(日本の原風景でもあります)でした。

2つ目の理由は、都市域でのナショナルトラスト的団体である点です。地元に近い場所で活動しているのも理由の1つですが。

都市域の樹林地の保全は、かなり難しかったりするのです。それは、市街地への変換が進められやすいこと、残存する緑地自体が少ないなどの理由で。でも、残された緑地を積極的に保全しようという試みはいいですよね。

特に、次世代へ引き継ぎたいものの経済的、社会的な理由から困難な緑地や荒地を地権者の理解を得て取得できれば、色々な意味でWin-win的な効果が生まれると思います。